早朝、5時ごろ起床し、コーヒーを飲む。

今日はどうしても一度「GON」で走ってみたい「ビーナスライン」へ行く。
じっくり朝コーヒーを味わいながら、少しずつ撤収。
一泊だけだとめんどくさい。連泊はしたいところだったが、目的地までかなり距離があるためここでは無理だった。いや、ある意味正解だった。俺には連泊するには物足りないキャンプ場だたのだ。
キャンプって本当に実際に行ってみないとわからないね。困ったもんだ。

車に囲まれて〜、木々に景色を阻まれて〜。木々のむこうには松本の町が広がっているのに〜。
こんなんじゃ駐車場でキャンプしてるのと同じやん。と、思ってしまう。
段々畑のようなサイトのもう一つ上のサイトは見晴らしが良さそうだが、車を横付けできないようなので、キャンパーでくるメリットが少ない。ん〜。俺のスタイルには合わないな。
なんだかんだと撤収完了し受付に。ここの駐車場が一番景色が良い!笑える…。

松本平、北アルプスの白馬連峰が一望だ。あの山々の彼方に、上高地があるのだ。
明日にはまたあの山々の中に戻る。そう考えると今回の旅はかなりハードだなと今更ながら(笑)。
さて、いよいよ「ビーナスライン」に行くぞ〜!

とは言え、本日の最終目的地は「清里丘の公園オートキャンプ場」だ。
「GON」は山道に弱い。だから、休憩を入れて4時間はかかるだろうと想像すると、これ普通にえらいことやん。今更ながらちょっと無謀な計画かと思ってしまう。
行くのはいいが、上高地まで帰るんやで。大丈夫か?
まあとにかく絶景だという「ビーナスライン」へ松本の町から上がっていく。
「GON」のエンジンの音が激しい。踏み込んでも全然スピードが出ない。アクセル全開で40km程度だ。後から車が来ると、申し訳なく通り過ぎてもらう。いや〜、ここまで峠がしんどいとは思わなかった。
乗用車が普通に上がっていくのを横目に、「GON」は騒音を発しながらゆっくりと進む。
やがて、だんだん、絶景「ビーナスライン」の本領が発揮されてくる。





めっちゃ綺麗だ!感動や!ワイワイと騒ぐ。




途中の休憩所でパチリ。バイカーの方が2人の写真を撮ってくれた。
山頂に広がる草原に雲の影が流れていく。夏を実感する天気だ。
これ、晴れてるのと曇ってるのでは全然違うな。本当に青空と緑のコントラストが最高だ!
俺はこんな景色を見るとワクワクが止まらない。無理を承知で来てよかった〜!



青空と緑のコントラストの素晴らしい絶景を眺めながら、あとは「白樺湖」に向けて降りていく。
ここからが気が気ではない状態が続き、写真どころではなかった(涙)。
そう、「GON」の調子がおかしい。なんかハンドルが取られるし、ブレーキもだんだんききにくくなってきた。
「ビーナスライン」も終わり、リゾートの雰囲気を醸し出すこじんまりとした「白樺湖」を横目に、どんどん峠を降りていくのだが、下り坂が延々続きブレーキをひたすら踏む。と、なにやら焦げ臭い匂いがしてきた。

これ、なんか変じゃない?
「音無川」沿いの152号線にて、ついに右手前輪から煙が発生。踏み込んでもブレーキがきかない!

ちょっと停める!
やばいわ!
たまたまあった直売所のような場所の駐車スペースになんとかゆっくりと停める。いや、なんとか停まってくれたが正しい。ブレーキがほぼきかなかったのだから。
降りて確認すると、右前輪のホイールが熱くてさわれない状態。しかも奥から煙がただよい焦げ臭いこと。ほんまにやばいで。帰れるんかな。と大きな不安が頭をよぎる。
この時ばかりは焦りまっくって、とにかくどうしよう、見てくれるところを探そう、など頭がどうにかなりそうだった。

なんとかなるから。
とにかく休憩しよ。
妻の一言で少し落ち着いてきた。

ちょっとちょっと、
道の向こうに温泉があるわよ。
ちょうどいいから、温泉に入って昼食にしよ。
その間にタイヤも冷めるから。
ということで、ちょうど道を挟んだお向かいにあった「蓼科温泉 音無の湯」にいくことに。

このトラブルがなかったら見つけることもなかった温泉。隣りを流れる音無川のせせらぎを聞きながら、岩風呂と桶風呂が楽しめた。
温泉で温まった体を川沿いの休憩スペースで冷ましてくつろいでいると、川の対岸に人が…。バックパックを背負った女子が。
丸見えですがな。チラッと見とるがな。見るならちゃんと見なさい(笑)。
休憩スペースは川沿いで気持ちがいいが、丸見えなのでご注意を。
昼食はお蕎麦をいただく。


温泉に入り、森を見ながら、川のせせらぎを聴きながら、ひんやりとした空気の中「自家製手打ちそば」を食す。
偶然とはいえ、寄り道できて本当によかった。
休憩しながら「GON」の不調が気になり色々調べてみる。どうもブレーキの使い過ぎによる摩擦熱が原因のようだ。「フェード現象」らしい。冷やせば大丈夫のようなことも書いてある。
なんせ初めての経験、ドキドキが止まらない。もう少し走っていたらかなりやばかったな。
まだまだ下り坂が延々と続きそうなので心配だが、ちゃんと冷えていたらこのまま旅を続けよう。ゆっくりとエンジンブレーキ中心で。素人判断だが、とにかく旅を続けるしかない。
(このことが後々修理代として大きくのしかかってくることを知る由もなく…)
さて、俺たちは癒されたが、「GON」はどうなった?
つづく…。
