「俺の夢」のスタートはこの本との出会いからだった…。妻の好きな京都。妻との出会いの場所のある古都。5月になると毎年京都に行く。妻との初デートの場所が「下鴨神社」の「糺の森」なのだ。
お互いに事情がある中年2人の出会いは、こんな落ち着いたところからのスタートだったりする。妻が10月に京都で「蚤の市」があるというので、そんな思い入れの深い京都へ行った。
色々見て、「目利き」の妻が選んだ数点の商品を購入し、昼食をとろうと近くのレストランを探した。そのレストランの一階に本屋さんがあり、ちょっと寄っていこうということで中に入る。2人それぞれの興味のあるコーナーへ。私は最近頭をよぎった「車旅で日本を楽しみたい」という思いにかられ、旅のコーナーへ。そこで目に飛び込んできたのですよ、この本が!
そうそう、日本にはこんなにワイルドな場所はないだろうけど、美しい自然がたくさんあるはず。行ったことのない場所が山ほどある。
大学生の頃、「波乗り」のことばかり考えていた俺は、1人でも片道4時間以上かけて、日帰りでもいろんな海に出かけたもんです。その時も、「サーフトリップ」と自称し、「伊良湖」から西の海、三重、京都、和歌山、兵庫、四国、九州に至るまで、本当にいろんな場所で「波乗り」をしてきた。そんな「ちょい旅」の時にも憧れてイメージしていた情景がこの本の中に詰まっていたのだ。
サーファーだけでなく、「ちょいワイルド」に旅する車でやっぱりカッコいいのは、俺にとっては「Volkswagen Vanagon Westfalia Camper」なんだよ〜!
この本を見て胸がどきどきワクワクした。
でも、この本お高い。3,000円もしはる…。買えんなあ。
そんな思いで妻に見せてみた。
「これが俺の夢やねん…」
そしたらなんと
「そのワクワクが大切っ」「買ってあげる!!!」
それでも渋る俺をよそにすっと買ってくれたのでした(感)。
それからというもの、絶えずこの本をそばに置き、ワクワクしながら見たもんです。
そしてついに決めた。「キャンパー」を買って日本を旅すると。
それからというもの、自分なりに「今まで我慢をし頑張り続けてきた人生へのご褒美」だと、「人生の後半戦は楽しむんだ」と決め、車を探し始めた。
さっそく神戸の大手キャンピングカー専門店に向かう。
たくさんのキャンパーがずらり。でもデカいし高い。中にはいい感じのもあったんだけど排ガス規制がクリアできないなどでダメ。そう、その隣にあったのが「GON」だった。
「トヨタ・タウンエースバン」をキャンピングカーにした20年前の車だ。
見た目はカッコいいとまでは言えないが、コンパクトでシンプルだし、「ミニシンク」「シャワーヘッド」や「ルーフベンチレーター」「FFヒーター」まで付いている!後部座席は電車のように横向きに座るタイプで、ベッドにも変換しやすいし、ベンチ全てを畳んで大きな収納スペースとしても使えるしと、見た目の古さ以外は機能的で気に入ってしまった。妻もこれなら古くてもいいという。さっそく見積もってもらう。ワクワクする。激安だ(笑)。
まあ、確かに古いし、凹みもあるし、塗装も自作のようで荒っぽくて雑。
しかし、それがキャンパーとしてのこなれ感を出しているとも言える(笑)。
ところがですよ。なんと2人乗りだというんです。スタッフ〜!
いや〜それはあかんねん。最低4人乗りますから〜。なんのためのベンチや!
その日は撃沈して帰り、「キャンパージプシー」がそれから3ヶ月程度。
夢の「Volkswagen Vanagon Westfalia Camper」を見に行ったりもした。
古い上に高過ぎるわ。故障もするだろうし、海外の部品は必ず常備されているとは限らない。
若い時は「ミニ・メイフェア」に乗って、雨漏り、オーバーヒート、エンストなどなど、何度もえらい目に遭ってきた経験があるから、カッコだけではこの歳では危ない(笑)。
面倒見るだけのゆとりもない。現実は厳しい。
そんなこんなで、悩んでいたけど、程よいキャンパーが本当に見つからない。
一番最初に気に入った車。あれが一番いい。最悪2人乗りでもいいかとも思い、まだあるか確認したら在庫あり。再度見にいく。
なんとそこで再度確認したら、6人乗り〜!車検も通ってる〜!
おいおい、前のスタッフ〜!どこの情報やってん!
ということで、最初に気いった「GON」を購入したのでした。
さて、購入したキャンパーを「GON」と名付けたのはなぜでしょう?
はい、正解は走っているとあちこちで「ゴンゴン」うるさいからでした(爆)。
色々内装に自作で装着したせいもあり、「ガチャガチャ」「ゴンゴン」うるさいこと(笑)。男はチマチマ組み立てるの好きやん。あっという間に自作の仮フル装備やん。
キャンパーを買ったら初めてすることも決めていた。
「GON」で初めてしたことはなんでしょう?
はい、それは車内でコーヒーを作って飲むことでした〜。
やっぱりまずはこれがしたかったのだよ。俺は。
夜景を見れる高台で車をとめ、準備を始める。
車載のテーブルをセット。じつは先日、車内やキャンプで使えるコンパクトなサイズ感の「タフまるJr.」というカセットコンロをこの日のために購入していた。卓上カセットコンロにしては少し高いとは感じたが、妻が背中を押してくれた。「サイズもデザインもイイやん。」「ず〜っと使うものだから買っとき。」と。風対策もありコンパクト。カラーもアウトドアに合いそうだ。これからはこいつも相棒だ。
もう一つ買っておいたものがある。「STANLEY/キャンプクックセット0.7L」。
こいつも便利で、中にカップが2個収納されているし、蓋に穴が空いていて、コーヒーを淹れるのにチョロチョロと細く注ぐことができる。コツがいるけど。かっこもイイ。
さあ、に「STANLEY/キャンプクックセット0.7L」を乗せると、なんとも安定が悪い。五徳がないと安定しないことが発覚。しかし、今日は五徳がないので太い網で代用、恐々とお湯を沸かすことに。でも、この網が最高にピッタリなのであった。
「タフまるJr.」は火力が弱めなのか、思ったより湧くのに時間がかかった。
ぎこちなく、しかし丁寧にいれた車内お初の記念的コーヒーを妻と2人でいただく。
パックのドリップコーヒーやけど(笑)。
豆から粉にして…。かっこいいけど面倒やん。それはキャンプでの楽しみにおいておこう。
でも、あ〜旨いこと。またひとつ夢が叶ったわ。
ホッとして夜景でもと車外を見る。全く見えない。窓ガラス曇りまくり。
外がまだ3月で寒いため、結露しまくりですわ(笑)。
慌てて「ルーフベンチレーター」を回してたんやけどなぁ…。
そんなこんなで、「GON」との「VAN LIFE」的なものがスタートしたのでした。
購入してすぐは、古い車だけにフロントブレーキから煙が出たり、ハンドルが揺れたり、臭い匂いがしてきたり、えらいことから笑えることまで色々あったけど、「俺の夢」のいよいよスタートや!
肩を押してくれた妻に感謝!「GON」よろしくな!